耳鳴り

交通事故後遺障害による耳の症状と慰謝料

交通事故後遺障害を受けた場合には、通常はその被害の程度や部位によって、合理的な金額の算定をした上で、相手から慰謝料をはじめとした損害賠償金が支払われます。

これらは当事者双方が加入している自動車保険を引き受けているそれぞれの損害保険会社のスタッフを通じて、示談というかたちで調整されることが多く、金額などの面で折り合いがつかずに民事訴訟になるケースは、それほど頻繁にあるわけではありません。しかし被害者のほうで身体的な症状が耳の部位にあらわれている場合には、他の部位とは違って、多少注意しなければならないところがあるのも事実です。

耳鳴り固有の難しさ

たとえば両手や両足の欠損などは見た目にも因果関係がはっきりとしていますので、これはまず交通事故後遺障害としての認定が受けられますし、被害の程度を示す等級についても、被害者と加害者の双方が納得できるランクに落ち着くのが普通です。

ところが耳の場合には、外科的な手術でも治療の方法がない欠損であればともかく、身体的な機能面での異常の特定が難しいのにもかかわらず、被害者本人は耳鳴りなどの症状に人知れず悩まされるというケースも存在します。これはむち打ちなどの全身的な症状のひとつとして起きることが多いものですが、こうなると交通事故後遺障害として医学的な根拠をもって認定できるのかどうかが微妙になることがあります。

弁護士に相談してみる

そうした場合ですが、たとえば法律問題の専門家の弁護士に相談をして、示談や訴訟の代理などを引き受けてもらい、診断書などの証拠を取り揃えることによって、被害者サイドの主張に対する理論的な裏付けを補強してもらうことが解決策としては考えられます。実際に耳の後遺障害に対する慰謝料がどのように決まるのかですが、まずは治療を続けてもこれ以上は良くならないという、症状固定に関しての医師の診断書をもらい、それを保険会社に提出することで、交通事故後遺障害の等級認定を受けて、その等級によってあらかじめ決められた金額の支払いを受けるというパターンになるのが一般的です。

後遺障害等級

障害があるのが片方なのか、両方なのかによっても違いますが、医学的な検査によって両方の聴力をまったく失った状態であれば4級相当、片方のみ失った場合は9級相当、ほかにも何デシベル以上の聴力かによって等級がこまかく分類されます。聴力そのものだけではなく、耳漏や耳鳴りもやはり後遺障害等級が認定される場合がありますが、要は医学的な説明ができるかどうかがキーポイントとなってきます。

特に主治医が書いた診断書の内容に不備などがあれば、等級を判定する際に大きな支障が生じて、不当に低い等級になってしまったり、場合によっては後遺障害として認められないこともあり得ます。そのため弁護士のような法律のエキスパートを介在させることによって、書類の内容のチェックを含めて、妥当な認定が受けられなくなってしまうおそれを回避することが重要となります。

そのほかに欠損といった身体的な被害がある場合には、機能面もさることながら、特に結婚前の若い女性などは、容貌が変化したことに対する精神的な苦痛のほども計り知れない部分があります。こうした場合も交通事故後遺障害の一種として認められることがありますので、慰謝料の計算の際には注意深く確認しておく必要があります。こうした理由にもとづく後遺障害認定も、最近は男女の区別なく認められます。

慰謝料そのもののほかにも、等級認定は逸失利益の部分の金額の算定にもかかわってきます。逸失利益は交通事故後遺障害によって労働能力が低下してしまったために、本来ならば受けられるはずの収入が減少すると見込まれる部分のことで、損害賠償の中身として含まれます。難聴などがあればそれだけ仕事はしにくくなりますので、当然ながら逸失利益は認められますが、これは通常は等級にもとづいて一定の労働能力喪失率をあてはめた上での計算となります。